【情報コラム】離婚後の子どもの養育費に関する改正について
離婚後の子供の適切な養育を目的として見直しが行われ、その民法改正が2026年4月に施行されました。
親権、親子交流、養育費等のルールに関しての見直しが行われましたが、今回はその中でお金に関する内容を取り上げます。
法定養育費制度・子の監護費用の先取特権新設
養育費の不払いが多く、社会問題となっていました。養育費をもらえていた世帯は3割にも満たず困窮する子の救済の為に「法定養育費制度」が制定されました。これは離婚時に養育費の取り決めをしていない場合でも、法律の規定(民法766条3項)に基づいて一定額(子ども1人につき月額2万円)を相手側に請求できる制度です。
離婚した日(※2026年4月1日以降の離婚に限る)から正式な養育費の取り決めがされる日まで請求できます。子どもが成人する18歳になるまで請求でき、子どもの人数×2万円が法定養育費となります。
注意しないといけないのは、これはあくまで正式な養育費が決まるまでの暫定的・補充的なつなぎのお金です。月2万円で子どもの生活費が賄えるわけではありませんので、双方の収入などを踏まえた適正な養育費を、早急に協議や調停で決める必要があります。
それに加えて、子の監護費用(養育費など)の先取特権が民法308条2項に新設されました。先取特権の上限額は子供一人当たり8万円です。
先取特権とは、相手側からお金を優先的に回収できる権利です。
法定養育費制度により、養育費を請求していなくても離婚時に遡って法定養育費の支払いを請求でき、支払ってくれない場合には、子の監護費用の先取特権制度により、相手の給与や財産を差し押さえて優先的に回収することができるようになったわけです。
財産分与の期間延長・財産情報開示命令
財産分与に関しては、元配偶者に請求できる期間が2年でしたが延長される事になりました。離婚直後は、子供の世話や引っ越し等新生活の準備で非常に忙しく財産分与まで話し合う余裕がないというケースが多く、公平な財産分与の実現の為、十分な話し合いができるよう2年から5年に延長される事になりました。
また相手が財産を隠すケースもあった為、家庭裁判所が財産情報の開示を命じる制度も新設されました。
子どもを一人で育てることは、固い決意で離婚を選択していたとしても心身の負荷が想像以上に大きいものです。
お金や時間が制限される中で、子どもや自分自身の人生を守っていくためには、自分達のために必要な情報を集め、より良い生活をしていく為の手段として使うことが重要となると思います。
文中にも書きましたが、円安が進み物価も上昇している現在、法定養育費の2万円などでは足りるものではありません。
ひとり親に対する手当、助成、減免などの制度は沢山ありますが、これらの制度の多くは申請しないと受け取れません。
自分で情報を集めることが苦手な方は、まずはお住いの市区町村役場や法テラス等に相談に行かれることをお勧めします。そしてひとり親としての悩みを聞いて欲しいという方は、当法人の「話せるパートナー」も是非ご利用ください。
サポート会員 植平由美子 CFPⓇ

