【キャリアコラム】転職は何歳まで?

終身雇用が当たり前ではなくなりつつある時代を背景に、転職することに抵抗を感じず、様々な経験をしながらスキルアップしていきたいと考える人が増えているのではないでしょうか。人出不足が深刻になりつつある現状では、何歳でも転職は可能だと思います。

むしろなぜ転職するのか、転職して何をやるかが大切かもしれません。

私の知人の中には40代はもちろん、50代になってから転職した人もいます。

その方は、特別な資格をもっている訳ではなかったのですが、本人のスキルややりたい事と転職先の求人のニーズが一致したことで採用に繋がりました。

仕事を続けていく中でこのままで良いのだろうかと、ふと立ち止まるタイミングは人それぞれかと思います。立ち止まった時には、これまでのキャリアの棚卸しを充分にすることが必要です。自分では何でもないと思っていることが、転職先の求める人材の条件と一致する場合があるからです。

先程の知人は、前職でネット販売の経験がありました。自身でも日常的にネットで購入する事が多く、通販サイトの比較、見せ方、問い合わせ等に詳しかった、それが転職先の企業の求人の条件と一致したことが大きかった様です。

50歳を過ぎてからも、好きなこと、通販サイトに関わる仕事が出来、楽しそうです。

転職先には、前職と同じ条件、それ以上の条件を希望する方もいるかもしれません。スキルアップしていきたいと思うのは自然なことです。その場合も自身のスキルを客観的に見て、分析することが重要です。経験も大事ですが、今の業種、職種に固執することなく、別の角度で次の仕事をみつけてみるもの良いと思います。

私は大学生の就職支援の仕事もしていますが、自己分析、企業研究に充分に時間を掛けることが就活の第一歩です。転職の場合も同じではないでしょうか。給与や休日、通勤距離等の求人条件だけで面接に進んだりすると、どんなに条件が良くても自分の目指す方向性と違っていた場合、仕事が楽しくなくなってしまうかもしれません。

転職を考えたら、まずはキャリア棚卸しの時間をしっかりとりましょう。その際には家族、友人の意見も聞いてみましょう。自分では見えなかったスキルに気付くことがあるかもしません。第三者であるキャリアコンサルタントに相談するのも良いと思います。転職はこれまでのキャリアを見直す良い機会にもなります。

働きたいと思うのならば何歳でも転職は可能ですが、転職には体力も精神力も時間も必要です。次の転職がより良いものとなるように転職先を見つける前に、少し時間をとり、これまでの自分のキャリアを見直し、今後のキャリアについてしっかりと考えてみることをお勧めします。

キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー 小島邦代