高校生です。生活保護を受けていますが、進学費用を貯めるためにアルバイトをしても良いですか?

Q: ご質問

高校生です。生活保護を受けていますが、進学費用を貯めるためにアルバイトをしても良いですか?

【ご相談内容】今、高校2年生です。卒業後は、大学に進学したいです。大学受験に備えるため、アルバイトをしてお金を貯めたいと思っています。生活保護を受けながら、アルバイトをしても良いですか?

A: 回答

アルバイトをして、お金を貯めながら将来に備える、というのは大切なことですね。生活保護を受けている場合は、特に次のことに注意して、事前に備えることで、アルバイトをすることができます。

①アルバイトを始める前にケースワーカーに相談する

②アルバイトの収入は必ず申告する

③アルバイトの目的と将来の計画をはっきりさせる

 詳しいことは、次の通りです。参考にしてみてくださいね。

アルバイトをする前にケースワーカーに相談

アルバイトを始めたいと思ったら、まずは福祉事務所のケースワーカーに相談しましょう。

生活保護を受けている場合、一緒の家に住んでいる家族全員分の収入を申告しなければなりません。高校生のアルバイト代も申告の対象になります。 まずは、アルバイトをする前にケースワーカーに相談し、必要な手続きを確認しましょう。

給料を受け取ったら毎月必ず申告

アルバイトがはじまり、お給料をもらったら、どれだけの収入があったかを必ず申告しましょう。これを「収入申告」と言います。収入申告書と給与明細をケースワーカーに渡します。 収入全体からアルバイトに行くためにかかった交通費などの必要経費を引くと、アルバイト収入の手取り額になります。そこから、「基礎控除」と子どもが未成年者の場合は「未成年者控除」を差引き、残った額が収入として認定されます。これを「収入認定額」と言い、その分生活保護費が減額されます。

生活保護費 収入認定額と手元に残るお金のイメージ

収入があったのに申告をしないと、アルバイト代に相当する生活保護費を返さなければいけなくなります。必ず申告をしましょう。

アルバイトの目的と将来の計画をはっきりさせよう

高校生が大学進学などの目的のためにアルバイトをして得た収入は、事前に「将来の計画」として認めてもらうことで、収入として認定されません。つまり、その分の生活保護費は減額されることなく、貯めておくことができるのです。この収入は、生活費とは別に管理しましょう。

また、修学旅行費や私立高校の授業料の不足分、塾の費用など必要なお金についても収入認定の対象外となります。

アルバイトの目的と将来の計画をはっきりさせるための最初のステップは、アルバイトのお金をどう使うか?という、自分の「将来の計画」を具体的にすることです。

たとえば、
・アルバイト収入のうち、大学の「入学金」の一部に充てるため月2万円貯金する
・月2万円を塾の費用に充てる
・預金通帳を作って、貯める分と使う分をきっちり分けて管理する
などです。

具体的に「将来の計画」を考えておくと、ケースワーカーへの相談がしやすくなり、「収入認定の対象外」への手続きがスムーズになります。さらに自分自身の受験勉強やアルバイトへのモチベーションにもつながるでしょう。

大学の入学金や受験料など必要な金額がわからない、将来の計画をどうやって立てたらよいかわからない、という場合は、一人で悩まずウーマンライフパートナーに相談してくださいね。

サポート会員 原田幸子(CFP®認定者)