【家計コラム】「関心を持ち、考えてみましょう!」~選択的夫婦別姓について~

2025年4月から雇用保険の改正により、自己都合退職の待機期間が1か月になるなど、雇用の流動化が促進され、終身雇用制度の存在が薄くなり大きな社会変化を感じます。


2003年の労働者派遣法の緩和により、「自分の都合に合わせた働きかたを選択できる」という利点のもと非正規労働者が増えてきましたが、現在では雇用の不安定、賃金低下等の社会問題の一つとなっています。


現在国会で審議されている選択的夫婦別姓について様々な意見がありますが、この問題も大きな社会変化の一因となっていくと思われますので、今回は選択的夫婦別姓制度導入に対する意見を、賛成派反対派に分けてまとめてみました。


それぞれの意見を基にご家族や友人と話してみてはいかがでしょう。

<賛成の意見>

・個人の尊厳、女性の尊厳の主張
  個人の自由を尊重して欲しい。
  個人的アイデンティティの尊重
  一方だけが姓を変更しないといけないのは不平等だ
  人権侵害であり女性個人の自由の制約となる
  夫婦同姓は多様性の時代にそぐわない。


・実生活上の不便
  国際結婚や多文化社会での不便
  仕事上の不便があるので結婚後仕事を続けにくい。
  諸契約の改姓名義変更手続きの煩雑さ
  不動産名義登記が旧氏ではできない。
  現在の通称使用制度では不都合が解決できない部分がある。


・その他
  選択肢が増えるのは良いこと
  やりたくない人は選択しなければいい
  女性の社会進出の阻害要因となる
  改姓は結婚のハードルが高くなる

<反対の意見>

・日本の文化への影響の懸念
  家族の一体感が少なくなり家制度崩壊の方向に進んでいく懸念
  強制的親子別姓となり子供に影響が及ぶ。
  子供の姓の選択でもめた場合に裁判所が決めるというのは不可能ではないか


・戸籍制度の崩壊による犯罪への懸念
  重婚や偽装結婚などがおきる可能性が出てくる。
  身分の隠蔽、身元の不一致による混乱
  結婚制度の悪用
  税金や福祉制度の不正利用を引き起こす。
  相続時の不正


・多額のコスト
  財政難の中、緊急性のない課題に多額の税金が投与される
  民法、戸籍法等の改正、システム変更に多額のコストが必要となる


・その他
  免許証、住民票、印鑑証明、パスポートは旧氏併記で取得可能となっているので必要がない。
  不便があれば通称使用の拡大をすればいい。
  事実婚は法律的に認められてきているので、改姓が嫌なら事実婚で良いのではないか。
  昔と違い、旧姓の通称使用を許可している企業は増えているので社会進出に問題ないのではないか
  家族間のトラブルが増える

賛成派の主な意見は、人権侵害、個人のアイデンティティの尊重、女性の社会進出の阻害要因というものです。反対派の主な意見は、戸籍制度の崩壊から犯罪が懸念されること、強制的親子別姓となり家制度が崩壊していく懸念、民法や戸籍法の改正、システム改修などによる多額のコストというものでした。

私の個人的意見としては、活躍できる女性の立場からだけでなく、困難を抱える女性が増えていく可能性や片方の親と姓が異なるこどもの気持ちも考えて慎重に検討して欲しいと思いました。
皆さんはどう思われますか?


サポート会員植平由美子CFPⓇ