20歳からの年金基礎知識その1

Q.ご質問

20歳の誕生日のころ、年金に関する書類が届きました。すぐ手続きが必要なのでしょうか?

A.回答

20歳の誕生日に届く年金に関する書類は、目を通してすぐに手続きを自分で行ってください。

国民年金は20歳で加入

日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人は、国民年金の加入義務があります。

そもそも年金とは?

万が一の時の暮らしを支え合うための社会保険の一つです。

年金に加入すると受けられる給付の種類は3種類です。

  • 老後の暮らしを支える為の「老齢年金」
  • 病気やけがで障害を負った時に受け取れる「障害年金」
  • 一家の世帯主が死亡した時に受け取れる「遺族年金」

「年金」というと、老後のお金というイメージですが、障害年金は若い人にも大いに関係があるのです。

年金は2階建てという話を聞いた事があるかもしれません。年金には、1階部分にあたる基礎年金と2階部分にあたる厚生年金があります。

学生や自営の人、無職の人は、20歳で国民年金に加入します。これは、上記の図の1階部分になります。日本年金機構から加入のお知らせや支払の為の納付書が届きますので、納付書に記載された納付期限までに保険料を納付します。

学生や無職だった人が企業に就職すると厚生年金に加入することになります。保険料の支払いは厚生年金保険料に統一され、年金は、1階と2階合わせて受給することになります。20歳前で就職した場合も厚生年金に加入となりますので、20歳を過ぎても別途国民年金に加入する手続きは必要ありません。

保険料はいくら?

2021年4月から2022年3月までの国民年金保険料は、月額 16,610円です。保険料は毎年改定されます。

翌月末までが納付期限になりますので、例えば4月分の保険料は、5月末までに支払います。まとめて前払いをする「前納(最大で2年分)」という制度を利用すると、割引があります。(割引率は年率4%で複利計算、年平均1.8%) 

前納したい場合は、お近くの年金事務所で前納用の納付書を受け取ります。

会社員の厚生年金保険料は、お給料の額から計算された「標準報酬月額」で決まりますので、お給料が増えればその分保険料も増えることになります。

保険料の支払方法は?

国民年金は送られてきた納付書で支払います。市役所・区役所・年金事務所では納められません。コンビニや全国の金融機関窓口、郵便局で払えます。電子納付(ペイジーやインターネットバンキング)でも支払可能です。また、口座振替やクレジット払いも可能です。

会社員が加入する厚生年金保険料は、給与引きです。

年金に関する書類を放置して未加入の状態で、事故でけがを負った場合、障害年金の給付は受けられなくなります。手続きは、なるべく早く済ませましょう。 「20歳からの年金基礎知識その2」は、保険料が払えないときなどについて解説します。

執筆:サポート会員 小島邦代(FP、キャリアコンサルタント)